仕事時間中の「非デジタル休憩」導入で集中力回復:在宅ワーカーの生産性向上体験談
在宅ワークが日常となり数年が経過しましたが、仕事の生産性や集中力には波があり、特に午後の時間帯に集中が途切れやすいことに悩んでいました。多くのデジタルツールに囲まれて仕事をする中で、休憩時間における自身のデジタルとの向き合い方に大きな課題があると感じていました。
デジタル休憩の落とし穴に気づく
私の場合、仕事中の休憩時間といえば、無意識のうちにスマートフォンやPCでSNSをチェックしたり、ニュースサイトを見たり、関連性のない情報収集をしたりすることが常態化していました。これは「気分転換」のつもりでしたが、実際には脳が十分に休まらず、むしろ新たな情報によって疲労感が増したり、次のタスクへの切り替えがスムーズにいかなくなったりしていることに気づき始めました。
休憩を終えて作業に戻っても、直前に見ていたデジタルコンテンツの残像が頭に残っていたり、つい気になってしまうことが多々ありました。これにより、タスクへの没入感が浅くなり、以前よりも集中力が持続しない感覚がありました。
「非デジタル休憩」への意識的な移行
この状況を改善したいと考え、デジタルデトックスの一環として、特に仕事時間中の休憩におけるデジタルツールの利用を意識的に制限する取り組みを開始しました。具体的には、以下のようなルールを設け、実践しました。
- 短い休憩(5-10分): 席を立ち、軽いストレッチをする、窓の外を眺める、簡単な瞑想を行う。スマートフォンはデスクに置いたまま別の部屋へ行くか、通知を完全にオフにする。
- 長めの休憩(30分-1時間): 散歩に出かける、紙媒体の本や雑誌を読む、コーヒーを淹れる、短い仮眠をとる。この時間帯もPCやスマートフォンは原則として触らない。
- 物理的な分離: 休憩に入る前に、作業中のPC画面を閉じ、スマートフォンを手の届かない場所に置く習慣をつけました。
最初は、手持ち無沙汰に感じたり、「何か情報を見逃しているのではないか」という不安に駆られたりすることもありました。しかし、休憩の目的は「脳と体を休ませ、次の作業へのエネルギーを蓄えること」であると繰り返し自分に言い聞かせました。また、非デジタルな活動リストを事前に作っておき、休憩に入るたびにそこから選ぶようにすることで、迷いを減らすことができました。
非デジタル休憩がもたらした変化
この「非デジタル休憩」を意識的に取り入れるようになってから、仕事のパフォーマンスに明確な変化が現れ始めました。
最も顕著だったのは、休憩後の集中力の持続性が向上したことです。デジタル情報を浴びないことで、脳が本当に休息できている感覚があり、作業に戻った際にタスクに深く集中しやすくなりました。タスク間の切り替えもスムーズになり、以前のようにデジタルコンテンツの残像に気を取られることが減りました。
また、午後の生産性の向上も実感しています。これまでは午後になると集中力が大きく低下し、作業効率が落ちていましたが、非デジタルな休憩を挟むことで、午後の時間帯も比較的高い集中力を維持できるようになりました。短い散歩や軽い運動は、体のリフレッシュだけでなく、脳の活性化にも繋がり、停滞していた思考が動き出す感覚がありました。
精神面では、休憩の質が向上したことによる満足感が高まりました。漫然とデジタルを消費するのではなく、意図的に心身を休ませる時間を持つことで、「休憩した」という実感が得られ、仕事に対するモチベーションの維持にも繋がりました。これにより、仕事とプライベートのオン・オフの切り替えもより明確になったように感じています。
学びと読者への示唆
この体験を通して学んだのは、「休憩とは、単に作業から離れる時間ではなく、意図的に心身をリフレッシュするための時間である」ということです。デジタルツールは便利ですが、休憩時間においては、かえって脳を疲弊させ、集中力を妨げる要因となり得ます。
もしあなたが在宅ワークで集中力や生産性の波に悩んでいるなら、休憩時間におけるデジタルとの付き合い方を見直してみる価値は大きいでしょう。
- 休憩に入る前に、意識的にデジタルツールから距離を置くルールを決める。
- 自分が本当にリフレッシュできる非デジタルな活動(散歩、ストレッチ、瞑想、読書など)を見つけ、休憩リストとして用意しておく。
- 最初は難しくても、小さな時間からでも試してみる。
休憩の質を高めることは、仕事の質を高めることに直結します。ぜひ、あなたにとって最適な「非デジタル休憩」の方法を見つけて、仕事の集中力と生産性向上に繋げていただければ幸いです。